なぜシューメーカーは革をつくりはじめたのか
ECCO創業者、カール・ツースビーが自社のタナリー(革なめし工場)をつくろうと決めたのは、1985年のこと。靴に使う素材の代表でもあり、肌になじんでフィットするのは、やはりレザーを置いてほかはない。レザーを常に安定した高品質で手に入れるためには、自分たちの手でつくるしかない―こうしてECCOは、シューズやバッグだけでなく、素材となるレザーまでも製造する、世界でも稀有なブランドとなりました。
『プレミアムレザー』は今やECCOの代名詞でもあります。
自社製品だけでなく、世界の有名ブランドやメゾンにも採用されているECCO LEATHER。世界4カ国に4つのタナリー、2つのビームハウスとカッティングプラントを持ち、高品質な天然皮革を生産しています。
伝統を尊びながら、最新テクノロジーを常に更新していくこと。
顧客の声に真摯に耳を傾け、日々進化を続けること。この姿勢により、レザーの新しい荒野を切り拓いてきたヴァンガード(先駆け)と呼ばれる存在に成長しています。
やわらかくてきめ細かく、質の高いレザーを提供し続けてきたECCO。しかも高品質なだけでなく、ユニークな挑戦も数多く行っているのです。
オランダ・ドンヘンの工場には研究所が併設されており、最先端のテクノロジーと柔軟な発想で、実験的なレザーが続々と生み出されています。その一部をご紹介しましょう。
APPARITION(半透明レザー)
アパレルにも使えるほどのやわらかさを保ちながら、これまで牛革ではむずかしいとされていた半透明のレザーに仕上げました。あざやかなネオンカラーが目にも美しい、デザイナー垂涎のマテリアルとなっています。
NEO NATUR
経年変化を美しく、スムーズに。天然抽出物の主要成分により、素晴らしい色と比類のない手触りを実現しました。日の光や雨も味方につけて、自然に熟成を重ねていく革です。
NIT
一見、メッシュファブリックに見えるレザー。軽量レザーに施されたマイクロパンチングが、さらなる軽量化・通気性を可能にしました。アスレチックウェアと伝統的なクラフトを融合させた、レザーの新たな美学がここにあります。
クリーンでサステナブルなレザーづくりの姿勢は、創業当時から変わりません。
工場内の浄水施設で処理できる生分解性/化学物質のみを使用
環境にやさしい化学物質を扱う方法を常に開発
すべてのタナリーをサポートする 高次元浄水プラントを建設
ECCOのレザー工場は、レザーワーキンググループの認証でシルバーまたはゴールドレーティング(評価)
DriTan
限りある資源を有効活用するために、ECCO LEATHERが着目したのはなめし過程の「水」でした。プレミアムレザーの品質はそのままに、革1枚あたり約20リットル、年間で約2,500万リットルを節水。なんと9000人分もの1年間の水使用量をセーブできることになります。
アップル クリーンエネルギープログラム
米・Apple社の『クリーンエネルギープログラム』は、二酸化炭素排出量の削減を目指したプロジェクトです。2018年には、アメリカの約60万世帯に必要な電力供給量に匹敵するクリーンエネルギーを生み出しました。ECCOはこのプログラムにサプライヤーとして参加、環境にやさしい方法と技術を常に模索しています。
FLUIDFORM™ TECHNOLOGY
フルイドフォルム テクノロジー
ECCOのほぼすべてのシューズに用いられるFLUIDFORM™(一体成型製法)。解剖学に基づく木型の立体感や凹凸をほぼそのまま再現。オーダーメイドのようなフィット感を実感できる、ユニークな製法です。