大きなリュックを担いで世界中を気ままに旅する若者たちのことをバックパッカーといいます。言葉自体は中学生の頃に知りましたが、実際に彼らの姿を見たのは1990年にタイはバンコクのドンムアン国際空港の入国エリア。国旗や訪問地のワッペンが縫い付けられた色とりどりのバックパック。そして彼らの足元やリュックに括りつけられていた重厚な雰囲気の登山靴は今も印象に残っています。そう、自分にとってハイキングブーツは山登りよりも旅のイメージなのです。実際に彼らに憧れてゴツイハイキングシューズを持ってアジアやヨーロッパを旅したこともありました。しかしながら結局ほとんど履かず、クッション性のいいランニングシューズやサンダルばかり履く日々。そんなことが数度あってから、旅行にハイキングシューズを持っていくことはなくなりました。重いですしね。
2018年、「ハイキングシューズ=重い」「ハイキングシューズ=足になじむまで時間がかかる」「ハイキングシューズ=クッション性が悪い」といった従来の常識を覆すハイキングシューズが登場します。それがECCOのEXOSTRIKE。このモデルはアッパーに DSMダイニーマ社と共同開発した、今までにない軽量で極薄ながら高強度なレザー『ダイニーマ®加工レザー』を使用。強力な繊維ダイニーマは、鉄より15倍の強度を持ち、水にも浮く軽さがあり、パフォーマンスが求められるアパレル、フットウェアやアクセサリーに使用されています。紙ほどの薄さのこのレザーは柔らかく、軽量ながら高度な耐引裂性を確保し、これまでにない耐久性を保持しています。
ミッドソールにはECCOが新たに開発したPU 『PHORENE™(フォーレーン™)』を使用。従来のECCOのPU素材より2倍もの衝撃吸収力があり、反発性は50%、軽量性は30%以上向上。 寒さにも強く、マイナス40°の温度でも柔軟性が失われない。ECCO独自の一体成型製法FLUIDFORM™(フルイドフォルム™)テクノロジーにより快適で軽量なソールが誕生しました。
さらに2,500人の足を測定し開発した人間が本来持つ足の自然な動きを妨げないECCOの 『BIOM (バイオム)テクノロジー』 を採用することで、アウトドアシーンでもストリートでも最高の歩行性能を実現。グリップ力と耐久性のあるアウトソールと、かかと部分を包み込むようなヒールカウンターが不安定な地面でも高い安定性を発揮します。
自分は一足先に3月下旬の東京ファッションウィークの頃からウェアリングテストさせてもらっているのですが、会う人に「どこのブランドのシューズですか?」「いままでにないデザインですね?」「今すぐ買いたいくらいカッコいいです!」と褒められたように、EXOSTRIKEの個性的なデザインは、多くの人の心を捉えていました。
そして忘れてはいけないのが、その機能性と快適性。3月23日のとあるショーの会場を本来の渋谷区東のベルサールファーストではなく、渋谷区南平台のベルサール渋谷ガーデンだと勘違いしてそちらに行ってしまいました。自分と同じミスをした人は少なくなく、インビテーションを片手にタクシーに乗る人たちもいました。地図アプリで調べると1.7kmとのことなので、自分は「EXOSTRIKEを履いているから、これくらいの距離なら走れるな!」と走りましたが、ランニングシューズに勝るとも劣らぬクッション性。特に足が自然と出るような反発性は特筆すべきレベルで、あっという間に目的地に到着。自分より先にタクシーに乗った人たちよりも先にショーが行われるベルサールファーストに着いたのです。
そして個人的にこのシューズを履いて思ったのは、「これから暖かくなったらショーツとコーディネートしたいなぁ」ということ。「春や夏にブーツ?」と思う人もいるかもしれませんが、これが結構バランスよくキマるんです。自分の周囲のファッション関係者には夏のブーツ派は少なくなく、このEXOSTRIKEは、そんな彼らの審美眼にも適いそうなほどスタイリッシュなデザインとカラーリング、そしてマテリアルミックスだと思いますね。