今春ECCOからリリースされたEXOSTRIKEは、これまでのECCOのフットウェアとは若干趣の異なったデザインを採用していました。それは一度見たら忘れられない存在感のあるボリューミーなデザインであり、どちらかいうとシンプルでベーシックなデザインのシューズの印象が強かった従来のプロダクトラインアップとはいい意味でデザインのテイストに明らかな違いが見られたのです。

そんなEXOSTRIKEは、ファッション関係者からも高い評価を得ることになりましたが、このモデルの注目すべき点はデザインだけではありません。EXOSTRIKEはアッパーに DSMダイニーマ社と共同開発した、従来にない軽量で極薄ながら高強度なレザー『ダイニーマ加工レザー』を採用。強力な繊維ダイニーマは、鉄の15倍という強度を持ち、水にも浮く軽さがあり、この素材を活用した紙ほどの薄さのこのレザーは柔らかく、軽量ながら高度な耐引裂性をキープし、これまでにない耐久性を保持していました。

またミッドソールにはECCOが新たに開発したPU 『PHORENE(フォーレーン)』を使用。従来のECCOのPU素材の2倍の衝撃吸収力があり、反発性は50%、軽量性も30%以上向上。さらに 寒さにも強く、マイナス40°の温度でも柔軟性が失われないなど、数々の高機能スペックを結集していたのです。

このように高い機能性を誇ったEXOSTRIKEですが、自分が特に驚いたのは、これまでのアウトドアシューズはある程度の期間はシューズを足に慣らす必要があったのですが、このシューズでは箱から出したその日に長時間歩いても、足に全く痛みがないどころか、本当に快適だったことです。
そんなEXOSTRIKEにYAKレザーに防水透湿性に優れたゴアテックスが搭載されたバージョンが追加されるという知らせを聞き、本当に嬉しく思いました。というのも意外と知られていませんが、9月は一年の中でも降水量が多い月であり、ゴアテックスバージョンであればシューズ内部に雨が浸水することもなく、靴の中の蒸れの原因となる湿気や水蒸気を排出してくれるからです。

ECCOはCOOLシリーズやゴルフシューズでゴアテックスを使用し、すでにユーザーから高い評価を得ているだけに、EXOSTRIKEのゴアテックスバージョンも機能性には問題ないだろうし、これで悪天候の日でも外出が楽しくなること間違いないはずだと思いました。しかしながら、それと同時にひとつ不安なことが。それはゴアテックスバージョンでも、あの「履いてすぐに足にフィットする!」という、EXOSTRIKEの大きな魅力が継承されているのか?ということです。

このニューバージョンに使用されているレザーは『ダイニーマ加工レザー』よりも厚みがあり、さらに防水透湿性を確保するためのメンブレンという層が加わります。それだけに実際に履く日までは、若干不安がありました。しかしながらその心配は杞憂に終わります。
足を入れてしばらくすると、シューズは足の一部のようにフィットし、脚力が効率よくシューズ、そして路面に伝達されることから、以前のバージョンと同様に、本当に快適に歩くことができたのです。というわけで、カッコよくて、歩きやすいEXOSTRIKEに防水透湿性をプラスした新たなバリエーションは、今秋のECCOで最も注目すべき存在と言っても過言ではないでしょう。

自分はショーツにEXOSTRIKEを積極的にコーディネートしていましたが、「やっぱりミッドカットやハイカットデザインは秋冬になってからパンツに合わせたい!」と言う声があったのは事実で、そういった点でも秋にニューバリエーションが追加されたのは、タイミングとしてもベストだと思います。カラーリングも秋冬のシックな装いにマッチしそうですしね。