1988年から1998年までスポーツシューズブランドに勤務していたことに加え、1992年にフジテレビ系で放映された、毎回マニアックなテーマを競うクイズ番組「カルトQ」のスニーカーの回に出場し、優勝したこともあって、スニーカーに詳しい人として一部では知られることとなりました。そしてサラリーマンを辞めたあとはフリーライターに転身し、スニーカーやランニングシューズを得意分野とし、それを生業としてきました。
しかしながらスポーツシューズだけでなく、実を言うとドレスシューズも大好きで、かなりの足数を持っています。アメリカのオールデンは7足、フランスのJMウエストンも3足持っていますが、何といっても一番多いのは英国靴。エドワードグリーン、フォスター&サンズ、ポールセンスコーン、ジョンロブ、チャーチ、クロケットジョーンズ、トリッカーズといったイギリスのブランドを何足も持っています。自分が英国靴を好きになったのは、そのクラシックな佇まいと履けば履くほど自分の足の一部のように馴染むところ。しっかりとメンテナンスすれば、十年、二十年と履くことができるのも大きな魅力ですね。そしてイギリスのドレスシューズを好きになったのは、雑誌「ブルータス」の1989年11月1日号で英国靴が大々的に特集されたことも理由のひとつ。自分が毎日のように読んでいたこの号は、ドレスシューズ好きにとっては一種のバイブルで、世界中のシューズフリークを魅了する雑誌「LAST」の菅原編集長も、大きな影響を受けたと言っていました。自分は20代半ばから高級靴を買い始めたので、その当時、周囲からは分不相応だと言われましたが、今考えてみると若い時によいモノに触れることができて本当によかったと思います。
一方で最近は本格的なドレスシューズを若い世代が買わなくなったという声も聞きます。たしかに自分が若いときから購入してきたレベルのシューズたちは、現在では10万円を超えることも珍しくないし、自分の足に馴染ませるには数か月かかることもある。そんな製品特性は現在の若いビジネスマンにはマッチしないのも事実。だからこそ彼らがガラス革(合成塗料でコーティングされた光沢のある革)や人工皮革のアッパーにラバーアウトソールを組み合わせた安価な靴を履くのも致し方ないのかもと思っていました。そんなときにECCOのVITRUSの存在を知り、実際に履いたのですが、「これなら高級ドレスシューズのようにメンテナンスすることで自分だけの愛着ある1足に育てられるし、買ったその日から快適な履き心地も提供してくれる!」と思わず心のなかで呟きました。
VITRUSは伝統的なカーフクラストアニリン染めのレザーをまとっており、最高の職人の手仕事と最新のコンフォートテクノロジーの融合から誕生した1足。そのアッパーレザーの深みのある色合いは、高級靴そのもの。それでいてモールド成形されたインレイソールは快適さとサポート力を発揮し、前足部は贅沢なコルクレイヤーを採用。薄手のソックスを履いているときは、このインレイソールを入れたまま、厚手のソックスを履いているときは、このインレイソールを抜くことでフィット感をアジャストすることができます。またVITRUSは解剖学に基づいたアナトミカルデザインプラットフォームのために新しいシャンク、レザーウェルトとストロベルソックを開発。そのフルアナトミカルラストは足の自然なカーブにぴったり合い、さらなる快適性を提供してくれます。革新的なダイレクトインジェクション製法による軽量で屈曲性のあるポリウレタンソールにレザーカバーヒールを合わせたアウトソールは革新と伝統が交差するデザインで、長時間の歩行でも快適な履き心地を失いません。このように洗練された高級感あるデザインと優れた機能性を高次元で融合したVITRUSは、長期の履きならしも必要とさせず、購入して箱から出したその日から、足にフィットしてくれるのも嬉しいところ。「高級靴は履きならしに時間がかかるからイヤ!」と毛嫌いしていた若きビジネスマンたちも、VITRUSなら納得してくれそうです。