Vol.6 ECCO VITRUS

スタイリッシュなデザインと機能性を高次元で融合することで、ワールドワイドで高い評価を得ているシューズブランドのECCO。これまでに1,000足を超えるシューズを履いてきたフリージャーナリストの南井正弘氏が、そんなECCOのシューズを実際に履いてその魅力を紹介する”style and comfort”。第6回は上質なアッパーレザーを使用したドレスシューズでありながら、スニーカーのような快適な歩き心地も確保したVITRUSです。

1988年から1998年までスポーツシューズブランドに勤務していたことに加え、1992年にフジテレビ系で放映された、毎回マニアックなテーマを競うクイズ番組「カルトQ」のスニーカーの回に出場し、優勝したこともあって、スニーカーに詳しい人として一部では知られることとなりました。そしてサラリーマンを辞めたあとはフリーライターに転身し、スニーカーやランニングシューズを得意分野とし、それを生業としてきました。

しかしながらスポーツシューズだけでなく、実を言うとドレスシューズも大好きで、かなりの足数を持っています。アメリカのオールデンは7足、フランスのJMウエストンも3足持っていますが、何といっても一番多いのは英国靴。エドワードグリーン、フォスター&サンズ、ポールセンスコーン、ジョンロブ、チャーチ、クロケットジョーンズ、トリッカーズといったイギリスのブランドを何足も持っています。自分が英国靴を好きになったのは、そのクラシックな佇まいと履けば履くほど自分の足の一部のように馴染むところ。しっかりとメンテナンスすれば、十年、二十年と履くことができるのも大きな魅力ですね。そしてイギリスのドレスシューズを好きになったのは、雑誌「ブルータス」の1989年11月1日号で英国靴が大々的に特集されたことも理由のひとつ。自分が毎日のように読んでいたこの号は、ドレスシューズ好きにとっては一種のバイブルで、世界中のシューズフリークを魅了する雑誌「LAST」の菅原編集長も、大きな影響を受けたと言っていました。自分は20代半ばから高級靴を買い始めたので、その当時、周囲からは分不相応だと言われましたが、今考えてみると若い時によいモノに触れることができて本当によかったと思います。

自分だけの愛着ある1足に育てられる一足

一方で最近は本格的なドレスシューズを若い世代が買わなくなったという声も聞きます。たしかに自分が若いときから購入してきたレベルのシューズたちは、現在では10万円を超えることも珍しくないし、自分の足に馴染ませるには数か月かかることもある。そんな製品特性は現在の若いビジネスマンにはマッチしないのも事実。だからこそ彼らがガラス革(合成塗料でコーティングされた光沢のある革)や人工皮革のアッパーにラバーアウトソールを組み合わせた安価な靴を履くのも致し方ないのかもと思っていました。そんなときにECCOのVITRUSの存在を知り、実際に履いたのですが、「これなら高級ドレスシューズのようにメンテナンスすることで自分だけの愛着ある1足に育てられるし、買ったその日から快適な履き心地も提供してくれる!」と思わず心のなかで呟きました。

伝統的なカーフクラストアニリン染めのレザー

VITRUSは伝統的なカーフクラストアニリン染めのレザーをまとっており、最高の職人の手仕事と最新のコンフォートテクノロジーの融合から誕生した1足。そのアッパーレザーの深みのある色合いは、高級靴そのもの。それでいてモールド成形されたインレイソールは快適さとサポート力を発揮し、前足部は贅沢なコルクレイヤーを採用。薄手のソックスを履いているときは、このインレイソールを入れたまま、厚手のソックスを履いているときは、このインレイソールを抜くことでフィット感をアジャストすることができます。またVITRUSは解剖学に基づいたアナトミカルデザインプラットフォームのために新しいシャンク、レザーウェルトとストロベルソックを開発。そのフルアナトミカルラストは足の自然なカーブにぴったり合い、さらなる快適性を提供してくれます。革新的なダイレクトインジェクション製法による軽量で屈曲性のあるポリウレタンソールにレザーカバーヒールを合わせたアウトソールは革新と伝統が交差するデザインで、長時間の歩行でも快適な履き心地を失いません。このように洗練された高級感あるデザインと優れた機能性を高次元で融合したVITRUSは、長期の履きならしも必要とさせず、購入して箱から出したその日から、足にフィットしてくれるのも嬉しいところ。「高級靴は履きならしに時間がかかるからイヤ!」と毛嫌いしていた若きビジネスマンたちも、VITRUSなら納得してくれそうです。

フィット感をアジャストすることができるインレイソール

VITRUS LINEUP

ECCO VITRUS I HALO BROGUE TIE (左)
50,000円(税抜き)
ブラックの1色展開

ECCO VITRUS I WING TIP BOOT (中央・右)
38,000円(税抜き)
ブラック、ネイチャーの2色展開

ECCO VITRUS I WING TIP TIE
334,000円(税抜き)
ネイチャー、ブラック、デニムブルーの3色展開

ECCO VITRUS I PLAIN TOE TIE (左・中央)
32,000円(税抜き)
ブラック、ネイチャーの2色展開

ECCO VITRUS I PENNY LOAFER (右)
32,000円(税抜き)
ブラックの1色展開

南井 正弘 : フリージャーナリスト

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。
「Running Style」「フイナム」「Number Do」「モノマガジン」「デジモノステーション」「SHOES MASTER」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジン&ランニング関連ポータルサイトの「Runners Pulse」の編集長も務める。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間52分00秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。