Vol.13 ECCO SOFT8

スタイリッシュなデザインと機能性を高次元で融合することで、ワールドワイドで高い評価を得ているシューズブランドのECCO。これまでに1,000足を超えるシューズを履いてきたフリージャーナリストの南井正弘氏が、そんなECCOのシューズを実際に履いてその魅力を紹介するstyle and comfort。第13回はECCOの初代モデルよりベストセラーの一角に君臨し続けるSOFTシリーズのSOFT 8   SHINEBRIGHTをピックアップしました。

その名の通り柔軟なアッパーレザーを使用することで同ブランドのベストセラーの一角に君臨し続けるのが、ECCO SOFTです。スリムなフォルムが印象的な初代モデルは1981年にリリースされ、長い期間良好なセールスを続け、ECCOのみならず、カジュアルシューズ史上屈指のロングセラーとして、歴史にその名を残しています。

ここ数世代のECCO SOFTはアディダスのスタンスミスやコンバース オールスターなども採用するブルーチャーと呼ばれる外羽根デザインを採用していますが、このデザインはバンズのオーセンティックやERA、トップサイダーのキャンバスクラシック、コンバースのスキッドグリップを代表とする、バルモラルと呼ばれる内羽根デザインよりも甲の高さに対する許容範囲が高いので、「自分は甲が高いから…」といったユーザーも安心して履くことができるでしょう。また外羽根デザインは一般的につま先部分もボリュームのあるタイプが多いので、その点でも日本人を始めとしたアジア人の足型にフィットしやすいと思います。

最新作は第9弾となるSOFT 9ですが、SOFT 8SOFT 7SOFT 5といった過去のデザインも現行ラインアップとして展開されており、今回紹介するSOFT 8はコートシューズをモチーフにしたアッパーデザインに衝撃吸収性とグリップ性に優れたソールユニットを組み合わせ、現在も世界各国で良好なセールスを記録しています。

実際に履いてみるとわかりますが、ECCOのSOFT 8は街で最高の履き心地を得るためのスペックを1足に結集。スポーツブランドから現在リリースされているスニーカーは、数十年前にテニスやバスケットボールといった競技で最高のパフォーマンスを発揮するために設計されたのに対し、SOFT 8は、現在のライフスタイルシーンで最高の快適性を提供するために、現代の技術、着用シーンを考慮してデザイン。

アウトソールひとつ取っても、スポーツブランドのクラシックスニーカーのオリジナルが、アンツーカーのテニスコートや木の床のバスケットコートで高いグリップ性を発揮するために素材が選ばれ、パターンが刻まれたのに対し、ECCO SOFT 8はアスファルトやコンクリート、石畳、人工大理石といった市街地で最高のグリップ力を確保すべくアウトソールが設計されています。このことから判断すれば、「どちらが街で快適な履き心地を提供してくれるか?」は、火を見るより明らかですよね。

SOFT 8は、豊富なカラー&マテリアルバリエーションをラインアップしており、今回紹介するのはSHINEBRIGHTと呼ばれる特殊なレザーを使用したタイプ。この素材は一見すると単なる型押しレザーに見えますが、自動車のヘッドライトなどがあたると、光を反射して輝くのです。これは見た目がスタイリッシュなのはもちろんのこと、夜間歩行時の安全性を高めてくれるでしょう。デザインはベーシックなローカットとボリューム感があり、足首部分のサポート性の高いミッドカットの2種類がラインアップされているのも嬉しいところですね

 

南井 正弘 : フリージャーナリスト

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。
「Running Style」「フイナム」「Number Do」「モノマガジン」「デジモノステーション」「SHOES MASTER」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジン&ランニング関連ポータルサイトの「Runners Pulse」の編集長も務める。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間52分00秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。